対中国の問題点
中国という国の問題点はその人口の多さ、これにつきます。これからは中国の覇権が東アジアにて確立する可能性が高いと昨日は書きましたが、そうなった時に日本はどうなるか?
もちろんながら中国の属国という選択肢もありえますし、むしろ現実的に考えた場合に日本は長期の経済停滞で国力が伸びず、かたや中国はもう日本の2倍のGDPを保持している。
とするならば対中国で戦端を開いても敗北する可能性は高い、従って属国を選択するという話も現実問題としては十二分に有り得る話です。
しかし私は属国化はご遠慮願いたい。前にも書いた通り、私は文化主義者であり日本文化愛好家であるからです。
現在日本はアメリカの属国なわけですけれども、アメリカの人口は3億人程度、しかも地理的には日本から遠くはなれているという点で、まだマシな部類の属国化といえるでしょう。
しかし中国は地理的にも近く、そして擁する人口は13億人ととてつもない。中国のさじ加減1つで日本はいとも簡単に人口侵略され、日本文化は風前の灯になってしまう可能性もあるわけです。
とするならば、早々簡単に属国化という選択肢を私は取るべきではない、という価値観のもとに論じることになります。
国力の根源とは何か?
とても根源的な話になるのですが、国力の根源とは何でしょうか?経済?それとも統治体制?もしくは人口の多さ?それらもとても大切な要素でしょう。
国力とは国家の力なのですから、まずは国家というものが何によって形成されているのか?が重要でだろうと思います。
社会科学では国家とは1つの共同体であると定義されます。では共同体を共同体として成立させているものは何か?というと共同体意識であるという話になります。
では共同体意識とは何によって意識されるのか?言語、慣習、習俗、文化、共通の統治体制等々が共同体意識を強靭にするといえます。
例えば超大国アメリカを例に取りますと、最近はヒスパニック系が増えて英語ではなくスペイン語しかしゃべれないアメリカ国民も多くいるのだとか。
トランプ大統領選のときにも、白人人口の低下や移民人口の増加などが取り沙汰されました。一般的にはアメリカは移民国家であり、移民によって成長してきたというイメージがありますが、それでも移民に英語を強制していたのだそうです。
ところが最近は英語を矯正することがなくなり、スペイン語しかしゃべれないヒスパニック系も増え、こういった「共同体式を弱体化する政策」がアメリカの凋落の遠因となっていると解釈可能です。
共同体意識とはスポーツで例えるならばチーム意識、といっても良いでしょう。チームがバラバラであれば、いかなる作戦も練習も意味をなさないというわけです。
国力の源泉とは共同体意識、チームジャパン意識であり、それは言語、習俗、慣習、文化、常識などによって支えられている。その上に経済などの適切な政策をすることで国力は増大する。逆に共同体意識を破壊するような政策は国力弱体化になる可能性が非常に高いといえます。
従って国力というものを重要視するならば、文化などの根源的なものを大切にしなければならない、という帰結になります。
文化破壊をし続けた戦後日本
新自由主義・グローバリズムというものの前提条件には「合理的経済人」というフィクションがあり、これは原子論的個人、つまりは砂漠の砂のように根を持たない個人という話になります。
砂漠にいくら水をまいても植物が育たないように、文化という根、土壌を破壊し続ければ、当然ながら成長の土台がもろくなり、従って低成長になるのも当然です。
これは世界的な傾向しても現れておりまして、1990年代以降の世界というのは特に、それ以前と比べて低成長に陥り、そして2008年に決定的な崩落が始まったと見るべきでしょう。
そして日本も例外なく、1990年代以降に新自由主義・グローバリズムに舵を切って日本式経営を捨て去り、凋落を始めたといえます。1990年台には東芝やシャープがやばくなるなどと、一体誰が考えたでしょうか?
中国の属国化ではさらに凋落
冒頭に対中国での最大の問題は人口だと書きました。今ですら脆弱になっている日本の文化基盤、国力の土台が、中国の人口侵略に耐えられるとは私には到底思えません。
とするならば、中国への属国化とは日本の国力の源泉を失う危険性を持った、大変に危ういものだといえるでしょう。
かといって現在の日本には単独で中国の覇権をはねのける力はなく、またアメリカの凋落が加速すればアジアからのアメリカの撤退という事態すらあり得る。とするならば現実的な選択肢として何が残るのか?を真剣に考えねばなりません。
少なくとも国力の源泉たる共同体意識をどのように保存すのか?それがなし得るのならば再起の目も遠い将来にあり得るでしょう。
確か第二次世界大戦中のフランスの話しだったかと思うのですが、ナチス・ドイツからの命令で占領されたフランスの学校では、ドイツ語で教えることになったそうです。
その時にフランス人教師が最後の授業でこのようなことをいったそうです。「フランス語さえ忘れなければ、それは牢獄から出る鍵を持っているということだ」と。
現実的な選択肢
中国が覇権国家である、というのは多くの人が認める事実でしょう。そして日本がここ20年間停滞しているということも。
まずは財政出動や消費税減税などの景気刺激策で経済成長し、少なくとも中国に差をつけられないだけのGDPを保持、増加させることが肝要です。
ではその前提でどうするのか?戦端なんか開いた日には、日本がボロ負けするのは大東亜戦争の例からしても、国力の差からしても明白ですから、ほとんどありえない選択肢といえるでしょう。
そして属国化も出来ればご遠慮願いたい。
とするならば国力を成長させつつ外交努力によって、もしくは中国経済を日本に依存させることによってのみ、なんとかなる可能性が出てきます。出てくるだけで、なんとかなるかどうか?は分かりませんが、少なくとも時間稼ぎにはなるでしょうし、時間を稼げば何らかの状況の変化もあり得るかもしれない。
文化の保存とはすなわち「国体の護持」ですから、実は明治維新の頃から日本の状況というのはあまり変わっていないのですね。
古くは元寇の時代から日本は、中国のグローバリズム戦略に対して対抗をしてきたとすら解釈可能ですし、または江戸幕府の対外政策というのはグローバリズムの拒否といえるでしょう。
そして弱体化した江戸幕府に変わって明治政府を打ち立て、臥薪嘗胆、富国強兵といったスローガンで尊皇攘夷路線に進んだのもまた、グローバリズムに抵抗するためといえます。
太古の昔から日本の政策は国体護持であったし、そしてこれからもそれを目指すべきなのだとすると、ここ20年間のグローバリズムに傾倒した日本というのが「異常な状態、状況」であったとすら解釈可能です。
※もっとも大東亜戦争で無茶苦茶な開戦をして、その結果として国土が焦土と化したわけですが。
文化の保存、すなわち国体の護持のために今必要な政策は何か?それについて明日は論じます。
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毎日更新されているんですが、当然ながら私も毎日みています。多分見始めて7~8年くらい?むっちゃ勉強になりますから。
本日の男の料理 ちりめんじゃこと大葉の混ぜご飯
本日はごはんシリーズ第2段、混ぜご飯。これが旨いんですよね。
材料
- ちりめんじゃこ
- 大葉
- 梅干し
- お米
- 昆布
- 日本酒
調理手順
- まずはご飯を炊きます。だし昆布を入れて、日本酒を少々入れますと混ぜご飯に最適なうまいご飯になりますよっと。
- 大葉は千切り、梅干しは荒く叩いて梅肉にして、あとは炊き上がったご飯にちりめんじゃこ、大葉、梅肉を混ぜるだけ。
もちろん普通に炊いたご飯でも十二分に美味しいです。よくぞ日本人に生まれけり!という味で、他にも色々とアレンジの効く混ぜご飯。手間もかかりませんし、ぜひともどうぞ!